【とある山に来ていた二人】
【どうやら山にエネミーがおり それを狩るようだ】
「うん、この辺りかな⋯そんな気がする」
「今回は熊型だってさ、お兄ちゃん。」
【降りてそんな風に会話していると 木々が幾つか倒れ】
【土煙の向こうで 巨大な影が咆哮を上げる】
〈グオオオオオオッ!!〉
「うわっ、声でか。鼓膜破れるかと思った⋯」
「お兄ちゃん! こいつ硬いよ! たぶん肉弾戦じゃ全然通じない!」
【咆哮中に早速攻撃しながらそう言う】
「だろうねぇ、筋肉の鎧だ。真正面からやり合っても分が悪いみたい。」
「じゃあどうするのー?どうやって倒す?」
「うーん…じゃあ俺が視線を引くから、診空はガツンと大きいの頼むよ。」
「はぁい!じゃ、頑張ってね!」
【そう言って診空は一旦離れる】
【空劇の背中から純白に輝く天ノ白翼が静かに しかし大きく展開される】
〈ガルルッ……!〉
「こっちだ。鈍重な図体で、俺の翼に追いつけるかな?」
【空劇が翼を羽ばたかせ 不規則な軌道で空中へ躍り出る 敵の剛腕が空を切る】
〈ガァッ! ガアアッ!〉
「空中には届かないでしょ。…そこ、隙あり」
【すれ違いざま、空劇の翼から飛ばした羽根が数枚、敵の関節の継ぎ目へ正確に突き刺さる】
〈グッ……!?〉
「よし、動きが止まった。診空、そっちの番だよ。」
「待ってましたぁッ!!」
【熊の後方の空から、もう一対の翼──翼ノ白命を広げた少女が急降下する】
「そこが急所でしょ! 私には見え見えなんだからッ!」
【加速の乗った診空の翼が、刃のように敵の無防備な首筋へと迫る】
〈ギィッ——!?〉
「おりゃー!!!」
【白銀の閃光が走り、巨大な獣が轟音と共に崩れ落ちる】
〈ガ……、ハ…………〉
「……ふぅ。ナイスタイミング」
【エネミーの死を確認し 胸を撫で下ろす】
「えへへ、お兄ちゃんのパスが良かったからね! どう、完勝?」
「まぁね。でも診空、最後の攻撃、ちょっと油断しすぎ。あとちょっと遅れてたら反撃食らってたよ」
「むぅー、勝ったんだからいいじゃん! 細かいなぁお兄ちゃんは!」
【エネミーの屍を背に二人は慣れた様子で翼を畳み ハイタッチを交わした】
「今回も討伐完了〜」
「このエネミーは速めに終わったね⋯良かった。」