Blankary

ポルチオの森のアステーリャ

By 穿孔虫May 19, 2026224 views
「……ふふ。アステーリャったら、今日もここに来てくれたんだ。"お疲れさま"」


──アステーリャね、すごく悪い子になったの。
このお姉さんの前で、ひどくいやらしい事して貰って──キレイな大人のレディになるの……❤



大木を切り抜いた簡素な空間が、危うげな自由恋愛の場にすげ変わる。
エステティシャンを名乗る女の熱に浮かされ、魔術師を思わせる野暮ったい程のローブはそのままだと言うのに、柔肌が顕になったようで。

言い伝えられる白き森に住まう、モノクルを掛け、分厚い本を小脇に抱えとてとてと歩く文学少女──アステーリャはこれからの"儀式"を低く妖しげな笑みを湛え受け入れ、遮二無二虚空を見つめるように視線を彷徨わせる。

本当はフェルトに隠された恥部を、指折りながら直接なぞるようにされたい。

でもそれは、余りに蠱惑的に過ぎるから……

「ねぇアステーリャってば、いつもなんか、そういう『感情のノイズ』を求めて来てないかい? 誰もが抱えているなんて言ったら、ちょっと大袈裟かも知んないけど……心の奥底──これはちょっとじゃなく歪んでて、でも美しい、熱源みたいなものをさ」


──今宵の『お裾分け』は、そういう類の、いっぱい耽美的な情景のお話なの。
まるでアステーリャの理性が薄絹のように脆くて、剥がれ落ちてゆくさまを……じっくりと味わってほしいの……❤



空気が刹那垂れ篭め、重く、それでいて匂いを纏うように紫を帯びたように映せば。
アステーリャの瞳の奥に、何か強い光が灯る。
まるで電気のスイッチが、一瞬だけちかちかと明滅のプロセスを踏んだみたいに入り。
アステーリャの文学的な語彙とシンクロし、本の中だけで封じ込められた密やかな欲望が、洪水のように溢れ出す。

そう、これは『触れてはいけない領域』にたどり着いた後の、叙情的な残響みたいなもの。

静謐な、しかし熱を帯びた白き森の自由恋愛空間は、眠りから覚めたかのような、半夢半生の曖昧な状態に入りつつある。

そこにはただ、ひたすらにアステーリャを弛緩させるための、幾つもの温かい手のひらと、そこから発せられる微かな──しかし絶対的な指圧の予感──だけがある。


──体外って、言わば服の上からという、皮膚の層を隔てた、あうぅ……最後まで、言わなきゃだめなの……?❤



最初は何事かと、ただ茫然自失だったはずなのだけれど。

しかし今となっては、己の腹部の表層に指が辿り着くだけで、期待に爛漫とさせ火照る自分がいた。

それはまるで、何世紀も前に忘れ去られた禁断の儀式を、そっと起こすかのような指の腹の動きで──

「……っ、あの、そこ……」

はじめは気の抜けた、聞き取りにくい単なる困惑の声が、か細く漏れ出るだけ。

それを覚えてしまった肉体の内部的な、温かい組成が予期せぬ圧力に晒されていく感覚は実に悖徳的で、緩やかな呼吸が大気を埋め尽くすまでそう時間はかからない。

エステティシャンの指の軌道は、まるで万華鏡の回転する色彩のよう。

姉のように優しくもあり、同時に魂を揺さぶる潮の満ち引きのような、不可抗力的リズム。

深呼吸を促すというお題目であっても、それは理性という名の堤防を、淫らな舌舐りを以てなめているようで──アステーリャの性のスイッチを入れる合図だった。


──ここでアステーリャは少しだけ間を置き、呼吸を整えた気がするの。
でも、その眼差しはもう、隠しきれない程の熱をぷしゃあと発しているの……❤



幾度となく表皮を弄んだ後、核心に触れるように、エステティシャンの指が一点に、より強く、より丁寧に──集約されていく。

それはアステーリャの『深層にある根源的な、大人びた熱に浮かされた器官』を、まるで探るように促す指圧である。

「あぅ……これ……っ……❤いけないの……❤」

アステーリャには、身体から何かの結界がまるでボヤけた絵画のように、溶け出していくのが分かってしまった。

外的な刺激が、内的な奔流をいとも容易く引き寄せてしまうという、人間の実に理不尽で、それでいてあまりにも必然的な構造。

秘裂は顔以上に熱を帯びはじめ、今か今かと閉じた面が、糊着した古書のように独りでに開きつつあるのを感じた。

これほどの内臓深部を圧迫する感覚は、それ自体が一種の宗教的、或いは科学的な、啓示に近しいもの。

アステーリャの呼吸のリズムが崩れはじめ、視界の隅が陽炎と一緒に、ざわめきを連れてくる。

「ねぇ、聞いて?」

堅き知識の殻に護られた理性をも掻き乱さんとばかりに、エステティシャンは単純な言の葉をささやく。

口元を抑えながら、しかし声には確信が宿っていて──


──こ、これはあくまで、触れてる指の、物理的な動きの延長上に生じた、純粋な生理学的な過敏反応の産物、というものなの……
だから……それはすごく耽美的で、すごく切ないきもちがするの……❤


エステティシャンの指がただ優しく、しかし逃れがたい執拗さを以て、内側から湧き上がり始めた奔流の蓋をそっと開けてしまう。

制御不能な……という言葉では、あまりにも凡庸すぎた。

もっと根源的な、必然性の発露──その余韻は小さな身体に、とても似つかわしくもない熱を帯びている。

「なんて極端な、戯れ物語かしら」

エステティシャンの言葉に、アステーリャの身体は反射のように蠢いた。

深く息をつき、虚空に向かってなにかを掻き回すように手を振る。

まるで熱を帯びた残滓を、払い落とすかのように……


──端的に換言、して欲しいの……?ほ、ほんとに、しなきゃだめなの……?❤

アステーリャ、服着たままはしたなく、ポルチオで……イっちゃったの……❤❤
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